術前説明会②

その後、術後に考えられる障害の可能性と、具体的な手術方法についての説明。
障害については、左半身の麻痺や痺れ、あと腫瘍の位置からして顔面麻痺が一番可能性が高く、ろれつが悪くなるなどの言語障害が考えられるとの話だった(その他、左半身の麻痺からくる歩行障害や嚥下障害など)。
手術法については、手術室は、一番、細菌レベルの低い手術室を用いるとのことだった。
まずは一般的な開頭手術方ということで、多分、肉眼的全摘は可能だろうとの見解。
次に、手術器具などの説明で、「ニューロナビゲータ」という最新の機械を用いるという話しだった。この器具は、メスの先が、今脳のどこにあたっているかが、事前に撮ったMRIの画像に示されるというもの。後で知ったのだが、手術中でも何回も撮り直しがができるらしい。

腫瘍摘出にあたってはサージカルルーペなどではなく、倍率300倍だか400倍の顕微鏡を用いるとのこと。
あとは「ファイブアラート」(5-ALA)というアミノ酸で、これを手術の数時間前に飲み、腫瘍部分に一定の周波数の光を当てると、腫瘍の部分だけ発光するというものらしい。
結構、最新の医療技術らしく、確か2006年の13日の読売新聞の1面記事で、昭和歯科医大が、脳腫瘍の手術向けに開発したとの記事を呼んだ記憶があったので、それを先生に聞いてみたら、多分同じ薬のことだろうと言っていたが、実際には臨床の場で、もう少し早い段階から使っていたのかもしれない。

ただ、まだ厚生労働省から正式な認可が下りてなく、保険も効かないらしいのだが、自分の入院した大学病院では、試験的に使っているということで、費用も病院側の負担であるとのことだった。何れにしても結構新しい術法のようだった。
手術後に、この5-ALAのお陰で、命拾いをしたと知ることになるが・・・。
まぁ、一通りの説明は受けたわけだが、最後に先生が「ここから先は、全て私の責任であり、術後に何か障害が残ったりしても、それも全ては我々の責任です。ですから、全力で取り組みますので、ご安心下さい。」と断定的に言い切ったので、少しびっくりした。
まぁ、責任と取るて言われても、失敗されたらどんな責任とってもらおうと意味は無いが。

ただ、自分も少なからず10年以上働いてきたが、顧客に対して逃げ道を作らずに、お任せ下さいと言い切るのは、それなりの根拠ある自信と責任感がないと言えない台詞なのはわかってた。
まして人の命を預かる身でそこまで言い切ることに、ちょっと感動してしまった。
この言葉のお陰で、この先生に命を預けようという気になれた・・・。
その後、1620分から、麻酔医から麻酔についての説明を受ける。

 

 

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