MRI画像等

術前のMRI画像

ホームの一番最初に術前のMRIを載せていますが、再度幾つかの術前の画像を掲載します。

 上の2枚の画像はカルテに貼ってあったものを撮影したもので、照明の反射などが写り込んでいるかもしれないので、正確な判断の出来る画像ではない可能性もあることをご了承ください(画像をクリックするとさらに大きな画像を見られます)。

 ただ、私の例では術前の腫瘍の状態はこの画像の通りだったということで、参考にしてみてください。

 少し説明させていただくと、向かって左側(右前頭葉)部分に白く大きいほぼ丸い形の影が確認できると思います。これが腫瘍でした。

 恐らく上段の画像が造影剤注入前で、下段が注入後の写真です(曖昧な表現ですいません)。

 この画像診断の段階である程度の診断がつきます。私のケースでは、この段階でグレードⅡではないかという診断がされました。造影剤の注入前と後で、腫瘍部分の写り込みに殆ど違いがないからです(あくまで確定診断ではありません)

 実際、入院前は恐らくグレードⅡの極めて良性に近い腫瘍だろうということで、当初の入院計画は1カ月で、放射線治療は想定されてませんでした。

 しかし、実際に腫瘍を摘出して病理検査をしたところ、一部、グレード2.8程度の部分があったため、放射線治療を追加することになりました。

 専門書などを読むとT1強調画像だの、何だのと難しい言葉が出てきますが、簡単に言えば良性に近いほど、造影剤注入前後で画像上の差異が殆どなく、悪性度が高いほど差が出てくるということです。

 最も悪性度の高いグレードⅣになると外側の輪郭部分が強く造影されてリング状に写り、リングの中は真っ黒に写るそうです。

カルテの画像

 まずは、脳腫瘍による頭蓋内圧の高まりを原因として、てんかん発作(大発作:意識の喪失を伴う発作)を起こし、救急で診断を受けました。

 その後、外来診察の中で、顔面神経麻痺、構音障害、嚥下障害、歩行障害、手術による脳へのダメージからくるてんかん発作の持病化などを一つ一つ懇切丁寧に説明され、その度に心が折れました。あとは言語障害(いわゆる言語野への影響によるものではなく、顔面神経の麻痺に伴い呂律が悪くなるなどの症状)についても説明を受けました。

 しかし結局のところ、少し呂律が悪くなった程度で、てんかんについても小発作は何回かありましたが、大発作は術後一度も起こしていません(起しかけたことはありますが)。発作に関しては、現在投薬中の薬が効いているためだと思います。

 したがって、現在の日常生活には殆ど影響がありません。

 なお、中枢性内分泌障害の疑いと肝障害に関しては、ステロイド投与(脳の浮腫みを抑えるため)の副作用によるものです。

 決して、酒の呑み過ぎではありません。

術後のMRI画像

 術後の経過画像を時系列で並べられるとよかったのですが、どの画像が一番古く、新しいのかがよく分かりません。ただ再発はないので、どの画像も変化はないと思います。

 術後の主治医の話では肉眼的な全摘出は出来たので、手術の出来としては及第点だとお考えください、とのことであった。

 確かに画像上で見る限りは腫瘍は奇麗に摘出されているようです。放射線治療も行いましたが。

 現在(2010.6.25)、術後4年半を経過しますが、再発も大した後遺症もありません。完治という言葉はこの病気の性質上、医者は言いませんが、とりあえずの目安としての5年生存率クリアは目前となりました。

 また、万が一、再発した時には「サイバーナイフ」による治療を勧められました。腫瘍のできた場所が運動野に近く、再手術は出来ないためです。

 放射線治療は、一度しか出来ないと思っていたのですが、放射線にも色々な種類があって、光線の種類を変えれば、何回かは受けられるようです。

脳の機能図

 脳の機能図について載せてみました。まぁ見ての通りなのでしょうが、言語野などの重要な機能は左脳に集中しているようです(左利きの人は逆になる)。

 丁度、私の右脳に腫瘍の出来た位置が、左脳だったら言語野にあたるそうです。また、もう少し、腫瘍の位置が後頭部よりで運動野にかかっていたら、腫瘍の全摘は無理だったでしょう。仮に全摘すれば、左半身麻痺で、今頃、筋トレなど出来なかったでしょう。

 運よく、丁度あまり重要な働きをしていない部分に腫瘍ができたお陰で、全摘もでき後遺症も殆どありません。紙一重の差なのですが。

 ちなみに私の脳の機能は、教科書に乗っている機能図の通りだったそうです。術後、麻酔の覚めかかっている時に、主治医のそんな言葉が聞こえてきました。

 そのお陰で手術がやり易かったのかと思えば、教科書通りの脳も悪くないのですが、教科書通りというのも、ちょっと悲しい気はします。 

 

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