「5-ALA」について

私が手術を受けたのは、2006年1月31日であり、もう5年近くになりますので、この術法が未だに最新でベストな術法なのかは分かりませんが、私がこの術法のお陰で助かったのも事実です。

以下に、5-ALA使用の際に渡された「同意説明書」の本文の一部抜粋を記載します。

 1.5-アミノレブリン酸(以下5-ALA)を使用した脳腫瘍手術を当院で行うに至った経緯・背景

  現在、脳腫瘍の手術をより安全に、的確に行う技術が様々開発されています。その一つが5-ALAを使用した脳腫瘍手術があります。

 5-ALAは、もともと私達自身の身体の中にある、生物にとって非常に重要な天然アミノ酸です。我々の身体の中で、血液(ヘム)の原料の一つとなる以外に、様々な作用を持っています。5ーALAを取り込んだ腫瘍細胞にある波長の光(405nmの励起光)を当てると、腫瘍細胞だけが蛍光発色するという特徴があります。この特徴を利用することで、脳腫瘍生検術ではより的確に腫瘍部分を採取する事が出来ます。さらに、脳腫瘍摘出術では、光る腫瘍を確認することで、安全な範囲で最大限に脳腫瘍を摘出することが可能です。

 現在、脳腫瘍手術に対して5-ALAを使用することを国は許可していません。しかし、この技術は、今日脳神経外科のみならず、消化器外科・呼吸器外科・婦人科・泌尿器科領域でも安全に使用されています。

 この技術は当大学倫理委員会の承諾を既に得ております。さらに、患者様に十分な説明のもと、内容を納得された上で同意書を取り交わした場合にのみ、この技術を用いた脳腫瘍手術を行うことにしております。

 なお、5-ALAの購入に必要な経費は、○○大学脳神経外科学講座が負担いたします。 

 

 2.目的

 脳腫瘍手術に対して5-ALAを使用して、より安全に的確に手術を行う。 

 

3.対象

  術前検査で原発性・転移性脳腫瘍あるいは脊髄腫瘍が疑われた患者様で、当科にて腫瘍生検術・脳腫瘍摘出術を受けられる方。

 ただし、術前の問診において光過敏症・ポルフィリン症が疑われ、かつ術前の尿検査にてポルフィリン症の可能性のある方は適応外とします。

また小児への使用は報告がないため、15歳以下の方は適応外とします。

 

以下省略しますが、報告される副作用としては、吐き気15%、嘔吐5%との報告があるそうですが、その他、重篤な合併症とかの報告はなく、比較的安全な術法と言えそうです。

 

ちなみに私の場合は、上記のような症状はなく、まして術後に「5-ALAがなかったらどこまで削っていいかわからなかったよ~」と言っている執刀医の声が聞こえてきたので、それなりに有効な術法ではないかと思います。

 

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